沈黙の声 / 黒田京子



Release Date : 2013/5/29

APX1013


様々な演奏形態で、ジャンルを越えた活動を続けるピアニスト、
黒田京子のピアノソロアルバムがリリース!

調律師、辻秀夫氏がその技術のすべてを注いだピアノにより、
黒田の繊細かつ美しい演奏が十二分に引き出された珠玉の作品集。

~以下アルバム、セルフ・ライナーノーツより抜粋~

からだの力をぬいて目を閉じ、
ピアノの音の響きに包まれながら、
ゆっくりと呼吸をしてみる。
あれから20年。

「Something keeps me alive」

これは私の最初の作品(ソロ)のタイトルだが、
この気持ちは今も変わっていない。
むしろ強くなっていると言っていいだろう。
今回の作品は、この処女作の録音の際に出会った
調律師・辻秀夫さんのあたたかい協力があって生まれた。
そして録音に至るまの間、私はこれまで以上にピアノという楽器、
そしてピアニストとしての自分に向き合う時間を持った。
自分の手と足の指にここまで細やかに気を配り、
音の響きや色彩感、肌触り、空気のかすかな震え、ゆらぎ、さわりなどに、
これほど耳を澄ましたことはなかったように思う。

<プロフィール>
東京都府中市生まれ。
'80年代後半、自ら主宰したワークショップ「オルト」では、
ブレヒト・ソングを素材に、ジャズだけでなく、
演劇やエレクトロニクスの音楽家たちと脱ジャンル的な場作りを行う。
'90年以降、坂田明(as)、斎藤徹(b)、酒井俊(vo)、早坂紗知(as)などの
バンドメンバーや、演劇や朗読の音楽を長期に渡って務めた他、
無声映画への音楽提供、ジャズ講座の講師を担当するなど、
その活動の幅はたいへん広い。
'00年には「オルトペラ・アンサンブル」による
音楽劇“クルト・ヴァイルの道”の公演を行う。
'04年から6年間余り、太田惠資(vn)と翠川敬基(cello)と、
'11年春からは喜多直毅(vn)と翠川のピアノ・トリオで活動。'10年春より、
言葉と音楽の実験劇場『軋む音』を喜多直毅と不定期に展開。
近年は即興演奏を主体とした演奏活動を行っている。
'06年、オルト・ミュージックを立ち上げ、コンサート・シリーズ
“耳を開く”と “くりくら音楽会”の企画制作も手掛ける。


01. インハーモニシティⅡ (inharmonicityⅡ)
02. おきな草のうた (song of okina-gusa)
03. ひまわりの終わり (the end of sunflower)
04. ホルトノキ (horutonoki)
05. 白いバラ (Die weisse Rose)
06. 闇夜を抱く君に (for you having a dark night)
07. 割れた皿~道 (a broken dish ~ the road)
08. 燃ゆる花 (burn the flowers)
09. あなたと (with you)
10. インハーモニシティⅠ (inharmonicityⅠ)
11. ろうそく (candle)